笑いと体のメカニズム

笑いと体のメカニズムでストレス対策!

笑いと体のメカニズム笑いと体のメカニズム
 笑いと脳の関係では、落語で笑った後の脳波のなかのリラックスした脳波、α波と活性化したときのβ波の両方が増えるという実験結果が出ています。 同時に測定した活性化ホルモン(分泌され過ぎるとストレスホルモンとなる)のノルアドレナリンや、アドレナリンが適度に増え、同時に癒しホルモンであるセロトニンも増えています。

 笑いにより体のメカニズムがリラックス状態に導き、脳の血流量も増えます、緊張状態では脳の血流量は低下するのです。 笑いによって、感情や記憶、本能を司る古い脳が活性化し、生きる根本的な脳を元気にするようです。 その結果、脳が活性化しながらリラックスし、バランスよく脳が働いていることになります。

楽しく笑うと大脳皮質の前頭葉が興奮
 情動脳を経て脳幹部や間脳の免疫をコントロールするセンターに伝えられるのです。 楽しく笑うことで約50億のナチュラルキラー細胞が一斉に活性化して、全身を駆け巡り、異質な細胞を破壊します。 笑いや泣きがストレスをブロックすることが分かっています。 人間の脳のの脳幹部は体、前頭葉の人間らしい心であり、情動や本能がある大脳辺緑系でこころと体をつないでいるのです。

 笑いが体によい仕組みは大脳辺緑系の働きにあります。  過度のストレスが加わると大脳新皮質がストレスの良し悪しを判断し、すぐに大脳辺緑系に伝わり情動脳の反応が、脳幹の自律神経の中枢や内分泌中枢が反応します。

 自律神経と内分泌系が乱れると、免疫系に影響し免疫力の低下につながります。 命の危険に遭遇したときに危険を判断した脳は、全速力で回避するために交感神経を興奮させ、血圧や心拍数を増加させ、内分泌線の副腎からは抗ストレスホルモンのコルチゾールを大量に分泌して行動にをサポートします。 緊急時には必要のない免疫系の働きは抑制されるのです。

 笑いの中枢は脳のどこにあるかは解明されていませんが、快の笑いは大脳辺緑系の視床下部にあり、人間関係に重要な社交の笑いは大脳新皮質にあると考えられています。 楽しく笑うと、情動脳にある快の笑いの中枢が、悪いストレスが大脳新皮質から、脳幹部に伝わるのをブロックしたり、弱めたりします。 自律神経や内分泌系の乱れがリセットされ、その結果として免疫計の乱れを正常化します。

笑うと脳が楽しく体も楽になる笑いのフィードバック 効果
  笑顔を作ることで楽しい気分になり、感情だけではなく体にも良い影響を与える効果があります。 楽しいと表情筋が働いて、笑顔になりその情報が脳に伝わります。楽しくなくても、表情筋が働いて、それを楽しいと脳が反応します。

 作り笑いでも脳はだまされてしまい、楽しい気分になるのです。 脳をうまく錯覚させれば、気持ちを上手にコントロールできるのです。 笑うから楽しくなるということが証明されています。 笑うと脳の内部にある快楽ホルモンのβエンドルフィンや、癒しのホルモンのセロトニンが分泌され、体もりラックスした状態になります。
 一方で、怒ると攻撃のホルモンであるノルアドレナリンが分泌され、体が不快で緊張状態になることも実証済みです。

 幸福感や愛情、笑いなどにはセロトニンが関与しているといわれています。 セロトニンは脳内伝達物質で、肉体的ストレスにより、情動を司る大脳辺緑系、さらには、こころを司る大脳新皮質の前頭葉から、精神的影響をより強く受けるようになります。 笑いに は、セロトニンを高め怒りのホルモンを緩和して、身体のいよい影響を与える特別の神経システムがあります。

感情血流理論
  表情を作る筋肉が脳の血流量を調節して、血液の不均衡を回復する機能を果たしている、感情血流理論があります。 笑顔が楽しい気持ちをもたらす理由に、脳の温度が関与するとい説です。 脳の温度は、脳中の静脈血と動脈血間の熱交換によってほぼ一定に保たれています。 脳の温度調整に重要な役割を果たしているは、鼻の奥 にある、海綿静脈洞という部分です。

 表情筋はこの静脈洞に入る血液の量と鼻に入る空気の量を変えています。 表情筋の働きが脳に向かう内頚動脈血の温度に影響を与え脳の温度が変化するのです。 笑顔を作る表情筋の働きによって、脳の温度が下がり楽しい感情が生まれ、嫌悪な表情筋によって脳の温度が上昇して不快な感情が生まれるのです。

 頭に血が上ったとか、頭を冷やせなどといいますが、的をついた言葉でしょうか。 かぜをひくと気分が滅入りますが、その原因のひとつに鼻が詰まって冷たい空気が入らず、脳に送られる血液を冷やせないからといわれます。

  表情筋は他人に感情を伝える手段とともに、自らの行動への動機づけにもないり、こころや体の恒常性を保つ安全装置として働いているのです。  短い交感神経と長い副交感神経の波動が、身体によい影響を与えると考えられています。

 人間の笑い方は、民族が変わっても不思議と各国共通です。  笑い声の最初のア(ワッ)は驚きで、交感神経が短く働きます。 その後、ハッハッハッハッと息を吐くと副交感神経が長く働くのです。

 笑いの整理的特長として、息を吐くのはやすらぎの神経である副交感神経であり、ヨガや太極拳などの健康法は、長く吐く呼吸法がポイントです。

笑いは健康遺伝子をオンにする
  筑波大学の名誉教授村上先生は漫才を聞いた場合と、退屈な講義を聞いた後の食後の糖尿病患者の血糖値上昇を比較しました。 大笑いした後の血糖値の上昇がみられたとのこと。 精神的な因子や霊的な因子が遺伝子のスイッチに関与すると推論しています。 笑いが眠っている遺伝子を活性化するというのです。

 笑いや喜び、信念、愛情、希望、感動、や感謝のこころや祈りなどのポジティブな因子が、良い遺伝子のスイッチをオンにします。 逆に、苦しみやねたみ、怒り、悲観、不安、無気力など、ネガティブな因子はスイッチをオフにするのです。 笑いが、23個もの 遺伝子を変化させことが、世界で始めて立証されました。

 これらのことは、精神が遺伝子や身体に影響する可能性を示唆しています。 遺伝子の多くは役割の分からないジャンク遺伝子と呼ばれ、こころの変化によって、オンにできれば、まだ自分で気づいていない最高の花を咲かせる可能性があります。  村上先生は、ストレス社会だからこそ、大いに笑って人生を楽しく過ごしてほしいといっています。

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